相続手続きで「戸籍の附票」が必要になるケースと取得方法・住民票との違い
目次
相続手続きで「戸籍の附票」を求められて困っていませんか?
相続登記や預貯金の名義変更の手続きを進めていると、「戸籍の附票を取得してください」と言われることがあります。
住民票とは何が違うのか、どこで取得できるのか、戸惑われる方も多いのではないでしょうか。
この記事でわかること
この記事では、相続手続きにおける「戸籍の附票」について、以下の内容を詳しく解説します。
- 戸籍の附票とは何か、住民票との違い
- 相続手続きで戸籍の附票が必要になるケース
- 戸籍の附票の取得方法と注意点
- よくある失敗例と対策
戸籍の附票とは何か
戸籍の附票の基本
戸籍の附票とは、戸籍が作られてから現在までの住所の履歴が記録された公的な証明書です。
戸籍と一緒に本籍地の市区町村で管理されており、住所が変わるたびに記録が追加されていきます。
住民票との違い
住民票と戸籍の附票は、どちらも住所を証明する書類ですが、大きな違いがあります。
■ 住民票
- 住民登録している市区町村で管理
- 現在の住所を証明する書類
- 原則として前住所は1つ前まで記載可能
- 住所地の市区町村で取得
■ 戸籍の附票
- 本籍地の市区町村で管理
- 住所の履歴を証明する書類
- 戸籍が作られてからの全住所が記録
- 本籍地の市区町村で取得
💡 戸籍の附票は、何度引っ越しても「その戸籍に入っていた期間の住所履歴」がすべて記録されています。
相続手続きで戸籍の附票が必要になるケース
不動産の相続登記で必要になる場合
不動産の名義変更(相続登記)の手続きでは、登記簿上の住所と死亡時の住所が異なる場合に戸籍の附票が必要です。
住所のつながりを証明することで、登記名義人と被相続人が同一人物であることを証明します。
【ケース1】被相続人が何度も引っ越していた場合
被相続人が不動産を購入してから亡くなるまでに何度も引っ越している場合、住民票の除票だけでは住所のつながりが証明できません。
この場合、戸籍の附票(除票)を取得することで、登記簿上の住所から死亡時の住所までの履歴を一度に証明できます。
【ケース2】相続人の本人確認として必要な場合
相続登記では、不動産を取得する相続人の住所を証明する書類として、住民票の代わりに戸籍の附票を使うこともできます。
預貯金の相続手続きで必要になる場合
金融機関によっては、被相続人や相続人の住所確認のため、戸籍の附票の提出を求められることがあります。
特に、戸籍謄本に記載されている本籍地と、実際に住んでいた住所が異なる場合に必要となることが多いです。
相続人の調査で必要になる場合
戸籍収集についての手続きを進める中で、面識のない相続人の現住所を調べる必要がある場合、戸籍の附票が役立ちます。
戸籍謄本で相続人を特定した後、その相続人の現在の住所を戸籍の附票で確認することができます。
戸籍の附票の取得方法
取得できる場所
戸籍の附票は、本籍地の市区町村の窓口で取得できます。
現在の住所地ではなく、本籍地でしか取得できない点に注意が必要です。
取得方法
戸籍の附票の取得方法は、以下の3つがあります。
■ 窓口での取得
- 本籍地の市区町村の戸籍担当窓口へ
- 本人確認書類(運転免許証など)を持参
- 手数料:1通300円程度(自治体により異なる)
■ 郵送での取得
- 本籍地の市区町村に請求書を郵送
- 本人確認書類のコピー、定額小為替、返信用封筒を同封
- 取得まで1〜2週間程度
■ コンビニ交付(一部の自治体)
- マイナンバーカードがあれば全国のコンビニで取得可能
- 対応している自治体は限定的
- 手数料が窓口より安いことが多い
⚠ 相続手続きの場合は、被相続人の戸籍の附票を請求するため、相続人であることを証明する戸籍謄本等が必要になります。
「戸籍の附票の除票」とは
亡くなった方の戸籍の附票は、「戸籍の附票の除票」として請求します。
死亡により戸籍から除かれると、戸籍の附票も除票となり、保存期間が150年間に変わります。
💡 以前は保存期間が5年間でしたが、令和元年(2019年)6月20日の法改正により150年間に延長されました。
転籍している場合の注意点
被相続人が生前に転籍(本籍を移すこと)している場合、戸籍の附票も新しい本籍地で作り直されます。
転籍前の住所履歴が必要な場合は、転籍前の本籍地で「除籍の附票」を取得する必要があります。
よくある失敗例と対策
失敗例1:住民票を取得してしまった
「住所を証明する書類」と聞いて住民票を取得したが、住所の履歴が足りず、結局戸籍の附票が必要になったケースです。
【対策】
相続登記や金融機関の手続きを始める前に、どの書類が必要か確認しましょう。
住所の履歴が必要な場合は、最初から戸籍の附票を取得する方が効率的です。
失敗例2:保存期間経過で取得できなかった
法改正前(2019年6月20日より前)に亡くなった方の戸籍の附票は、5年の保存期間経過後に廃棄されている可能性があります。
この場合、戸籍の附票が取得できず、不在籍・不在住証明書や上申書での対応が必要になります。
【対策】
相続手続きを放置するとどうなる?期限切れのリスクと今からできる対処法でも解説していますが、相続手続きは早めに着手することが大切です。
戸籍の附票が取得できない場合は、法務局や金融機関に代替方法を確認しましょう。
失敗例3:転籍前の住所履歴が取れなかった
被相続人が転籍していることを知らず、現在の本籍地で戸籍の附票を取得したが、必要な住所履歴が記載されていなかったケースです。
【対策】
まず被相続人の戸籍謄本をすべて取得し、転籍の有無を確認します。
転籍している場合は、転籍前の本籍地でも戸籍の附票を取得する必要があります。
専門家に依頼すべきケース
以下のような場合は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
複雑なケース
- 被相続人が何度も転籍している
- 保存期間経過で戸籍の附票が取得できない
- 相続人が多数いて、それぞれの戸籍の附票が必要
- 本籍地が遠方で郵送請求の方法がわからない
時間的な制約があるケース
相続登記の義務化についてにより、不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
期限が迫っている場合や、仕事が忙しくて手続きに時間を取れない場合は、専門家への依頼を検討しましょう。
みたか相続遺言相談プラザのサポート
当プラザの相続登記サポートでは、戸籍の附票を含む必要書類の取得代行から相続登記の申請まで、一括してお任せいただけます。
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よくあるご質問
Q1. 戸籍の附票と住民票、どちらを取得すればいいですか?
A. 相続登記で住所の履歴を証明する必要がある場合は戸籍の附票、相続人の現在の住所を証明するだけなら住民票で構いません。
手続きを始める前に、法務局や金融機関にどちらが必要か確認することをおすすめします。
Q2. 戸籍の附票はどのくらいの期間で取得できますか?
A. 窓口で請求すれば即日交付されます。
郵送請求の場合は、往復の郵送期間を含めて1〜2週間程度かかります。
Q3. 戸籍の附票に有効期限はありますか?
A. 戸籍の附票自体に有効期限はありませんが、金融機関によっては「発行から3ヶ月以内」などの制限を設けている場合があります。
提出先の要件を事前に確認してから取得するようにしましょう。
Q4. 本籍地が遠方の場合、どうすればいいですか?
A. 郵送請求が可能です。
本籍地の市区町村のウェブサイトで請求方法を確認し、請求書・本人確認書類のコピー・定額小為替・返信用封筒を送付します。
Q5. 戸籍の附票が取得できない場合はどうすればいいですか?
A. 保存期間経過などで取得できない場合は、市区町村が発行する「不在籍・不在住証明書」や、申請人が作成する「上申書」で代替できることがあります。
法務局に相談するか、司法書士にご依頼いただくことをおすすめします。
⚠ 本記事の内容は2026年2月時点の法令に基づいています。最新の取扱いについては、本籍地の市区町村または司法書士にご確認ください。
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この記事の執筆者
- イージス&パートナーズ司法書士法人 代表 安井大樹
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保有資格 司法書士、行政書士 専門分野 相続全般 経歴 平成14年(2002年)司法書士資格取得し、相続を専門として業界20年以上の豊富な経験と知識を持ち合わせる。
2017年6月 著書『ひとりでできる 実家の相続登記』を出版
2022年12月9日発売のPRESIDENT【2022.12.30号】に『2024年義務化 「相続登記」を自分で済ませるレッスン』が掲載
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