後見人の選び方
法定後見の場合、後見人は家庭裁判所が選任します。
しかし、後見開始審判の申立書には、後見人の候補者を記載する欄があり、ここに候補者を記載しておけば考慮してもらえます。
ただし、家庭裁判所の家事調査官が調査して、相続関係等から不相当であるとの判断がされると、候補者が記載されていても別の人が選任されます。
候補が記載されていないときは、家庭裁判所が司法書士などから適任者を探して、選任します。
また、後見開始の審判申立書に書く候補者を誰にするべきかについては、人によって考えが異なります。
過去の例では、子供や兄弟、配偶者等の親族がなることが多いようです。
理想的なのは、
○お金に関して絶対の信頼をおける方
○面倒見の良い方
○近所で生活している方
○本人より若い方
でしょう。
最近は、身上監護は親族、財産管理は司法書士が担当するという「共同後見」や、法人自体を後見人にする「法人後見」が増えてきつつあります。
財産管理が中心になる場合は、第三者が客観的な立場で管理した方が望ましい場合も多いのでしょう。
また、相続人が複数存在する場合も、共同後見として、話し合いで後見事務を行うのがよい場合もあります。
任意後見の場合は法定後見の場合と異なり、自分で自由に後見人の候補者(任意後見受任者)を選任することができます。
ただし、以下の人は欠格事由に該当しますので、後見人にはなれません。(民法847条)
1)未成年者
2)家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人、補助人
3)破産者
4)被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
5)行方の知れない者
身上監護が中心であれば、親族や社会福祉士等の方がきめの細かい後見ができるかも知れませんが、財産管理が中心であれば司法書士の方が適切な管理ができるかもしれません。
注意をしなければならないのは、後見人にも将来何があるか分からないことです。
後見人の業務の継続性を考えると信頼できる法人を後見人にする「法人後見」という方法もあります。
現在法人後見をしている機関としては、日本司法書士会連合会が設立した(公社)成年後見センター・リーガルサポートがあります。
この記事の執筆者
- イージス&パートナーズ司法書士法人 代表 安井大樹
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保有資格 司法書士、行政書士 専門分野 相続全般 経歴 平成14年(2002年)司法書士資格取得し、相続を専門として業界20年以上の豊富な経験と知識を持ち合わせる。
2017年6月 著書『ひとりでできる 実家の相続登記』を出版
2022年12月9日発売のPRESIDENT【2022.12.30号】に『2024年義務化 「相続登記」を自分で済ませるレッスン』が掲載
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