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相続登記義務化を踏まえた「認知症になる前の相続対策」

目次

認知症になる前に必ず準備すべき相続対策とは

「父が認知症と診断されてから、実家の名義変更ができなくなってしまった」

「母の判断能力が低下してから、遺言書を作ることができず困っている」

 

このようなご相談が、みたか相続遺言相談プラザには毎月複数件寄せられています。

 

2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化され、相続による不動産の取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。

しかし、認知症になってからでは、遺産分割協議も生前贈与も遺言作成もできなくなります。

 


この記事で解決できること

本記事では、認知症になる前に行うべき相続対策について、司法書士の実務経験に基づいて解説します。

 

具体的には以下の内容をカバーします:

 


認知症になると「できなくなる」法律行為

認知症などで判断能力が低下すると、法律上「意思能力がない」とみなされ、多くの法律行為ができなくなります。

 

遺産分割協議への参加

■ 認知症の相続人がいる場合

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。

しかし、相続人の中に認知症の方がいると、その方は意思表示ができないため協議が成立しません。

 

この場合、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、後見人が本人に代わって協議に参加する必要があります。

ただし、後見人は本人の利益を守る立場なので、不利な内容では合意できません。

 

遺言書の作成

■ 遺言能力の喪失

遺言書は、作成時に遺言能力(物事を判断する能力)が必要です。

認知症が進行すると遺言能力が否定され、遺言書を作成できなくなります。

 

また、認知症発症後に作成された遺言書は、後から相続人が「作成時に判断能力がなかった」として無効を主張される可能性があります。

 

不動産の売却・贈与

■ 財産処分の制限

実家の売却や子への生前贈与など、不動産の処分行為は判断能力がないとできません。

認知症になってから「施設入居費用のために実家を売りたい」と思っても、本人の判断能力がなければ売却できないのです。

 

銀行口座からの引き出し

■ 金融機関の対応

銀行が本人の認知症を把握すると、本人名義の口座は凍結され、家族でも引き出しができなくなります。

生活費や医療費の支払いにも支障が出るため、早めの対策が必要です。

 

⚠ 認知症になってからでは、成年後見制度の利用しか選択肢がなくなります。

 


判断能力が低下する前に行うべき5つの対策

認知症対策は、本人の判断能力があるうちに行う必要があります。

以下、司法書士が実務でお勧めする対策を優先度順に解説します。

 

【対策1】公正証書遺言の作成

■ 最優先の対策

遺言書があれば、遺産分割協議なしで相続手続きができます。

特に公正証書遺言は、公証人が本人の意思を確認して作成するため、後から無効を主張されにくく安心です。

 

三鷹市・武蔵野市エリアの場合:

状況により、対応可能エリアの公証人との事前打ち合わせ、必要書類の準備など、司法書士がサポートできます。

※お客様にとって適切な公証役場をご案内させていただいております。

 

■ 公正証書遺言のメリット

 

💡 みたか相続遺言相談プラザの「遺言コンサルティングサポート」は220,000円(税込)〜で、遺言内容の検討から公証役場との調整まで一貫してサポートします。

 ※料金のご参考ページはこちら

 

【対策2】家族信託の設定

■ 認知症対策の最新手法

家族信託(民事信託)は、財産の管理・処分権限を信頼できる家族に託す仕組みです。

本人が認知症になった後も、受託者(財産を託された家族)が財産を管理・処分できます。

 

■ 家族信託が有効なケース

 

三鷹市・武蔵野市の実例:

三鷹市内の賃貸アパートオーナー(75歳)が、長男を受託者とする家族信託を設定しました。

その後オーナーが認知症になりましたが、長男が受託者として賃貸管理・修繕・将来的な建て替えまで対応できる体制を整えた事例があります。

 

【対策3】任意後見契約

■ 将来の後見人を自分で決める

任意後見契約は、判断能力があるうちに、将来自分が認知症になったときの後見人を指定しておく契約です。

家庭裁判所が選ぶ法定後見人(多くは弁護士や司法書士)ではなく、信頼できる家族を後見人にできます。

 

■ 任意後見契約の特徴

 

【対策4】生前贈与による財産移転

■ 計画的な財産移転

判断能力があるうちに、子や孫へ不動産や預貯金を贈与することで、相続財産を減らし、相続トラブルを予防できます。

 

■ 贈与税の基礎控除

年間110万円までの贈与は贈与税がかかりません(暦年贈与)。

ただし、相続開始前7年以内の贈与は相続税の対象になる点に注意が必要です(令和6年以降の贈与)。

 

■ 不動産贈与の注意点

不動産の贈与には、贈与税のほか不動産取得税や登録免許税がかかります。

 

⚠ 税務については税理士への相談が必要です。みたか相続遺言相談プラザでは連携税理士をご紹介できます。

 

【対策5】相続登記の事前準備

■ 過去の相続の清算

親世代の不動産が、祖父母名義のまま放置されているケースがあります。

2024年4月1日の相続登記義務化により、過去の相続も2027年3月31日までに登記する必要があります。

 

■ 数次相続のリスク

相続登記を放置したまま相続人が認知症になると、その後の手続きが複雑化します。

 

💡 みたか相続遺言相談プラザでは、数次相続や複雑な相続登記にも対応しています(相続登記サポート66,000円(税込)〜)。

 ※料金のご参考ページはこちら

 


認知症対策を怠った場合の失敗事例

実際の相談事例から、対策を怠ったために起きた問題をご紹介します。

 

【ケース1】認知症の母を含む遺産分割ができない

■ 状況

武蔵野市在住の父が死亡し、相続人は母と子2名でした。

しかし母が認知症で施設に入所しており、遺産分割協議ができません。

 

■ 問題点

家庭裁判所に母の成年後見人選任を申し立てる必要があり、申立てから選任まで約3ヶ月かかりました。

後見人には弁護士が選任され、月額2〜3万円の報酬が母の生涯にわたり発生します。

 

さらに、後見人は母の法定相続分を確保する必要があるため、子が希望する分割方法(母の相続分を子に多く配分)ができませんでした。

 

■ 対策していれば

父が生前に遺言書を作成していれば、遺産分割協議は不要でした。

 

【ケース2】実家の売却ができず施設費用が払えない

■ 状況

三鷹市在住の母が認知症で施設入所しました。

施設費用のため実家(母名義)を売却したいですが、母に判断能力がなく売却できません。

 

■ 問題点

成年後見人を選任しても、家庭裁判所は「本人の居住用不動産」の売却を簡単には許可しません。

売却の必要性を詳細に疎明する必要があり、許可が下りるまで数ヶ月かかります。

 

■ 対策していれば

家族信託を設定していれば、受託者の判断で売却でき、施設費用にも柔軟に対応できました。

 

【ケース3】遺言書が無効になった

■ 状況

調布市在住の父が、認知症診断の半年後に自筆証書遺言を作成しました。

相続後、一部の相続人が「作成時に父は判断能力がなかった」として無効を主張しました。

 

■ 問題点

医師の診断書や介護記録から、遺言作成時の判断能力に疑義があるとされ、訴訟に発展しました。

最終的に遺言は無効と判断され、法定相続分での分割となりました。

 

■ 対策していれば

認知症診断前に公正証書遺言を作成していれば、公証人が能力を確認しているため無効リスクは低くなります。

 


専門家に依頼すべきケースの判断基準

以下のいずれかに当てはまる場合は、司法書士への相談をお勧めします。

 

特に以下のような方にお勧めです:

 

✓ みたか相続遺言相談プラザは、累計3,210件超の相続相談実績があり、認知症対策のご相談にも多数対応しています(2026年2月時点)。

 


みたか相続遺言相談プラザへの相談案内

「親が元気なうちに何をすべきか分からない」

「家族信託と遺言、どちらが良いか知りたい」

 

このようなご相談は、ぜひ当プラザの無料相談をご利用ください。

 

当プラザの特徴

 

主なサービスと料金

 ※料金のご参考ページはこちら

 

対応エリア:

三鷹市・武蔵野市・調布市・杉並区西部・小金井市・西東京市を中心に対応しています。

 

💡 お電話またはメールフォームから、お気軽にお問い合わせください。

 


よくあるご質問(FAQ)

 

Q1:認知症かどうかはどう判断すればよいですか?

A: 医師の診断が基本ですが、法律行為の場面では「意思能力があるか」が個別に判断されます。

軽度認知障害(MCI)の段階であれば、遺言作成や契約は可能な場合が多いです。

 

気になる場合は早めに司法書士にご相談ください。

 

Q2:家族信託と任意後見、どちらを選ぶべきですか?

A: 不動産など特定の財産を柔軟に管理・処分したい場合は家族信託が適しています。

身上監護(施設契約・医療同意など)も含めた包括的な支援が必要な場合は任意後見が適しています。

 

両方を併用するケースもあります。

個別の状況により異なるため、司法書士にご相談ください。

 

Q3:遺言書は自筆でも大丈夫ですか?

A: 自筆証書遺言も有効ですが、形式不備で無効になるリスクや、認知症による能力の問題を指摘されるリスクがあります。

確実性を重視するなら、公証人が関与する公正証書遺言をお勧めします。

Q4:三鷹市の不動産の相続登記はどこに申請しますか?

A: 三鷹市・武蔵野市・府中市・調布市・小金井市・狛江市・多摩市・稲城市の不動産は、東京法務局府中支局が管轄です。

武蔵野市には「武蔵野法務局証明サービスセンター」がありますが、ここは登記事項証明書の取得のみで、登記申請はできません。

 

Q5:相続登記の義務化はいつからですか?

A: 2024年(令和6年)4月1日から施行されています。

不動産の取得を知った日から3年以内に登記する必要があり、違反すると10万円以下の過料の対象です。

 

過去の相続(2024年4月1日より前に発生)も、2027年3月31日までに登記する必要があります。

 

⚠ 本記事の内容は記事作成時点の法令に基づいています。最新の法令や個別のケースについては、みたか相続遺言相談プラザまでお問い合わせください。

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電話受付:9時00分~18時00分(平日/土・日・祝日・夜間は要予約)

 

この記事の執筆者
イージス&パートナーズ司法書士法人 代表 安井大樹
保有資格 司法書士、行政書士
専門分野 相続全般
経歴 平成14年(2002年)司法書士資格取得し、相続を専門として業界20年以上の豊富な経験と知識を持ち合わせる。
2017年6月 著書『ひとりでできる 実家の相続登記』を出版
2022年12月9日発売のPRESIDENT【2022.12.30号】に『2024年義務化 「相続登記」を自分で済ませるレッスン』が掲載

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