相続した株の名義変更「何をすべき?」損しないための手続きを専門家がやさしく解説

ご家族がお亡くなりになり、遺産の中に「株(株式)」が含まれていた場合、速やかに「名義変更(株式の相続手続き)」を行う必要があります。
名義変更とは、亡くなった方(被相続人)の株を、引き継ぐ方(相続人)の名前に書き換える手続きのことです。この手続きを後回しにすると、株主としての権利を失うだけでなく、余計な税金がかかるなどの思わぬトラブルに発展する恐れがあります。
本記事では、相続の専門家である司法書士が、株の名義変更を行わない場合のリスクと、具体的な手続きのステップを分かりやすく解説します。
目次
1. なぜ名義変更を急ぐべき?放置する3つの大きなリスク
「手続きが面倒だから、そのうちやればいいか」と株の名義変更を放置すると、以下のような問題が起こり、相続人が金銭的に損をしてしまう可能性があります。
| 名義変更をしないと起こる問題 | 具体的なリスクとデメリット |
|---|---|
| ① 配当金や株主優待が受け取れない | 会社からの利益(配当金)や株主優待は、現在の正式な株主にのみ還元されます。亡くなった方の名義のままだと、これらの権利を行使・受領できません。 |
| ② 税金の無申告ペナルティ(延滞税) | 相続税の申告・納税には「亡くなった日の翌日から10ヶ月以内」という厳格な期限があります。株の存在を忘れて申告が遅れると、後から高額なペナルティ(延滞税や無申告加算税など)を課されるリスクがあります。 |
| ③ 手続きが「永遠に」複雑化する | 放置している間に相続人の誰かが亡くなると「数次相続」が発生し、権利が次の世代の多数の親族に分散します。いざ売却しようとした際、会ったこともない親族全員のハンコが必要になり、手続きが極めて困難になります。 |
2. 株は大きく2種類!まずは手続き先を見極めよう
株の手続きを進める第一歩は、その株が「上場株」か「非上場株」かを確認することです。種類によって、手続きを行う窓口と難易度が全く異なります。
| 株の種類 | 特徴と手続き窓口 | 難易度 |
|---|---|---|
| 上場株(公開株) | 証券取引所で売買されている一般的な株。 故人が取引していた「証券会社」が窓口となり手続きを進めます。 |
低〜中 |
| 非上場株(自社株など) | 身内や取引先などで持っている、上場していない会社の株。 「その株を発行している会社」に直接連絡して手続きをします。 |
高 |
3. 【上場株】名義変更を完了させる3つのステップ
証券会社で取引されている一般的な上場株の場合、以下のような流れで名義変更を進めます。
ステップ1:故人の利用口座を確認し、証券会社に連絡
まずは、亡くなった方が「どの証券会社」に口座を持っていたかを調べます。郵便物や年間取引報告書などを手掛かりにしましょう。
証券会社が判明したら、相続が発生した旨を連絡し、相続手続き用の書類一式を取り寄せます。
ステップ2:家族全員で話し合い、必要書類を準備する
誰が株を引き継ぐかが決まったら、以下の書類を集めます。
- 戸籍謄本一式:亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍と、相続人全員の現在の戸籍(法定相続人を確定するため)。
- 遺産分割協議書:「誰が・どの株を・どれだけ引き継ぐか」を記載し、相続人全員で実印を押印したもの。
- 印鑑証明書:相続人全員分(発行から3〜6ヶ月以内のもの)。
※注意ポイント
証券会社によって指定の書類やフォーマットが異なる場合があります。収集に不安がある方は、司法書士などの専門家へご相談ください。
ステップ3:証券会社に書類を提出し、名義を書き換える
準備した書類一式を証券会社に提出します。
書類に不備がなければ、おおむね2〜4週間程度で新しい名義人への移管(名義変更)が完了します。なお、株を引き継ぐ相続人自身も、同じ証券会社に口座を開設する必要があるケースが一般的です。
4. 【要注意】非上場株の相続で気をつけるべきポイント
非上場株(自社株など)の相続は、上場株に比べて非常に複雑です。主に以下の2点に注意が必要です。
- 会社側の承認が必要なケースがある
非上場会社の場合、定款(会社のルール)で「株式の譲渡には株主総会や取締役会の承認が必要」と制限をかけていることが多く、スムーズに名義変更できない場合があります。 - 株の「評価額」の計算が極めて難しい
上場株のように市場価格がないため、相続税を計算するための「株の価値」を算出するのが非常に複雑です。自己判断で評価を誤ると、後日税務署から追徴課税を受けるリスクがあります。
非上場株の相続手続きには、税務の専門知識が欠かせません。
みたか相続遺言相談プラザでは、相続に強い税理士と連携しているため、法務・税務の両面からワンストップでサポートが可能です。
5. 株の相続手続きに迷ったら、専門家へご相談を

株の名義変更は、放置すればするほど将来的な金銭的損失や、家族間のトラブルを引き起こす原因になります。しかし、平日の日中に役所を回って戸籍を集めたり、複数の証券会社や非上場企業と専門的なやり取りをしたりするのは、心身ともに大きな負担がかかります。
当事務所にご依頼いただければ、面倒な戸籍収集、金融機関とのやり取り、相続人の調査、遺産分割協議書の作成まで、複雑な作業をすべて代行いたします。あなたの貴重な時間と労力を守り、期限内に確実な相続手続きを実現します。
まずは無料相談をご利用ください
みたか相続遺言相談プラザでは、相続に関する無料相談を受付中です。
ご不安な点や、「何から手をつければいいか分からない」というお悩みなど、まずはお気軽にお聞かせください。
お電話(0120-660-670)または下記のフォームよりお気軽にご連絡ください。
この記事の執筆者
- イージス&パートナーズ司法書士法人 代表 安井大樹
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保有資格 司法書士、行政書士 専門分野 相続全般 経歴 平成14年(2002年)司法書士資格取得し、相続を専門として業界20年以上の豊富な経験と知識を持ち合わせる。
2017年6月 著書『ひとりでできる 実家の相続登記』を出版
2022年12月9日発売のPRESIDENT【2022.12.30号】に『2024年義務化 「相続登記」を自分で済ませるレッスン』が掲載
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